イメージPRに力点
こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
ここのところ、商品そのものでなく、自社のイメージを伝えるテレビCM(企業CM)がめだちます。東日本大震災後、商品CMに一時自粛ムードが広がったことに加え、復興支援CMが登場したことも刺激に。ネット広告などに押されるテレビCMの中で、震災前より約2割増える好調ぶりだ。
「ベトナムッ、にも!ダイワッ、ハウッスッ!」住宅メーカーの大和ハウス工業(大阪市)が昨年12月、放送を始めた企業広告はコミカルだ。
古田新太さん演じる優柔不断な映画監督が、役所広司さんに注文を繰り返す。
役所さんから「君はどうしたいんだ」と詰め寄られと古田さんがいきなり切れのいいセリフとダンスを披露する。
CMの舞台はホーチミン市。2013年9月のオープンを目指し、ベトナムで工業団地建設建設を進めていることを暗にPRしている。
今年2月時点で首都圏の800人を対象に行った調査では、大和ハウスを知っている人の割合は97%と、06年より10ポイントアップした。
資生堂が「化粧のちから」のCMを始めたのは昨年4月。東日本大震災の被災地を支援する活動で、スキンケア用品や化粧品を女性に配ったところ、口紅をつけることで笑顔を取り戻す姿に「化粧の力」を再確認した。
三菱地所も昨年「三菱地所を見に行こう。」と歌で繰り返し、都市開発に携わる自社をPRするCMを製作した。
CM総合研究所の調査では、震災前の08~10年度の企業CMの放送回数(在京キー局)は年10万回程度だったが、11~12年度は約12万回と過去最大の増加ペースという。
毎月3千人に印象に残ったCMを聞く好感度調査では12年度、ソフトバンクの「白戸家」などに混じって、ドラえもんの実写版で話題になったトヨタ自動車の企業CMが3位になった。
商品の差別化
アピール困難 コラムニスト天野祐吉さんの話
~企業の技術力が高度化すればするほど、商品での差別化ができにくくなった。だから、企業CMでイメージをつくることが重要になってきた。東日本大震災で成長経済の象徴だった原発が機能しなくなり、人々がモノであふれかえった生活を見直そうとしていることも背景にあるんじゃないいでしょうか。
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