北区王子の税理士松村憲です。
東京地区でのマンション販売の動きが慌しくなってきた。もともと消費税をみこんだ駆け込み需要が増えていたが、2020年夏季五輪・パラリンピックの東京開催決定で、競技施設などが集中する湾岸エリアへの関心が急速に高まってきた。
不動産研究所によると、7月の首都圏(1都3県)でのマンション発売戸数は、前年同月比31.6%増の5306戸だった。都内で超高層物件が発売された12年12月を除けば、この1年で最も高い水準となり、7月としては、リーマン・ショック前の07年以来の高い水準となった。安倍政権の経済政策「アベノミクス」効果による物価の上昇や、金利上昇を先取りし、マンション購入を検討している人を当て込んだ動きだ。
選手村や多くの競技場が整備される晴海地区で、三菱地所などが販売している高層マンションのモデルルームには、開催決定当日の8日、普段の2倍の60組が見学に訪れた。
「五輪に背中を押された」と話す客もおり、同社の広報担当者は「五輪開催決定が、マンション販売の追い風になっていることは確実」と話す。
晴海と同様に競技場が整備される有明地区も開発計画が進む。住友不動産は17年度までに、約1700戸の高層マンションのほか、オフィスや商業施設などからなる複合施設を建設する方針だ。
晴海に建設される選手村は、大会終了後、24棟からなる大型マンションとして活用される。分譲マンションは、都内の一般的なタイプより広い90平方メートル程度で、販売価格は9000万~1億になると見込まれ、「周辺の物件にも影響を与える」(アナリススト)ことは必至だ。
みずほ証券チーフ不動産アナリストの石沢卓志氏は「東日本大震災で、湾岸エリアは液状化現象が懸念され、現状の価格は比較的抑えられていた」と指摘する。今後、五輪施設が整備されることで、「利便性が増し、国際色豊かな街にイメージが変わる。マンション価格は今後5年間で3割程度上がるのでは」と見ている。
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