LINE・ツイッターが健闘
スマートフォン(スマホ)利用者の行動パターンが見えてきた。調査会社ニーセルマン(東京・渋谷)によると、ヤフーの1強状態であるパソコン用ネットサービスに比べて、スマホ向けは混戦模様。利用者は汎用的なプラウザー(閲覧ソフト)よりも目的別のアプリ(応用ソフト)を好み、様々なサービスを使い分ける。パソコン時代にもまして、利用者の関心を知る重要性は大きい。
「ネット利用の主役は、既にパソコンからスマホに移った」。ニールセントでネット分野のアナリストを務める中村義哉氏はこう指摘する。同社は5月から、スマホの利用動向の調査サービスを始めた。いわばスマホ版の視聴率調査だ。
ネットサービスへの月間の訪問者数はスマホ経由が3100万人に対し、パソコン経由が5597万人。ところがサービス利用の総時間はスマホ経由が15億時間、利用回数が66億回と、いずれもパソコン(11億時間、28億回)を大きく上回り、ネット利用をスマホがけん引する実態が鮮明になった。スマホを使う時間帯も1日中途切れないという結果もでた。
ただし「スマホの利用動向はパソコン時代と大きく異なる。パソコン時代の発想でいると、市場動向を読み違いかねない」(中村氏)
顕著な違いは利用するサービスの傾向だ。ネット各社が提供するサービスの利用者をブランド別に合算したところ、スマホでは首位が「グーグル」で2位が「ヤフー」。パソコンではヤフーが圧倒的な首位だが、スマホでは逆転した格好だ。
逆転の理由は、利用するサービスの違いにある。パソコンでは、ニュースやショッピング、動画が上位3種類をしめる。一方スマホでは1位が天気予報、2位が地図や道案内サービス。以下も交流サイト(SNS)や通話系サービスなど、隙間時間や移動の際に使うサービスが上位を占める。こうしたサービスをいち早く充実させたグーグルが首位になった。
各サービスの差はパソコンに比べると小さい。
「まだ絶対の勝ち組みが見えていない状態。どの企業にもチャンスがある」と中村氏はみる。
年代別でも利用傾向に特徴がある。最も顕著なのがLINEだ。年代が下がるにつれて利用率が高まっている。フェイスブックやツイッターはどの年代も3位以下の中位に入る。若年層にはサイバーエージェントの「アメーバ」関連サービスも人気。若年層に情報を届けるなら、LINEやアメーバが有用といえる。
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