こんにちは北区王子の税理士松村憲です
薄型テレビ、デジタルカメラ、パソコンなど、これまで「平均単価は下がるもの」と考えられていた製品の単価が上がり始めた。要因はそれぞれ異なるが、少なくともデジタル家電市場ではデフレを脱却したといっていいだろう。
本格的な市場回復には売り上げの増加が必須だが、円安・株高を背景にした景気の好転で、年末商戦では売り上げも伸びる可能性が高い。本格的な回復も期待できそうだ。
地上デジタル放送への移行に伴う買い替え特需を経て大きく価格が下落した薄型テレビだが、2012年3月の4万3100円をボトムに単価は反転。この7月には5万9200円まで回復し、実に37.4%の上昇を果たした。
主な要因は大型化。この7月、50型以上の販売台数構成比が始めて1割を突破、40型以上のモデルも3割をこえた。平均インチサイズも2ヵ月連続で過去最高を更新し33.4を記録。平均単価を押し上げた。また、それぞれのインチサイズ帯でも価格が上昇。薄型テレビの約4割を占める30型台では一時、3万円未満の激安モデルが4割を超えていたが、1割を切るまでに縮小した。
主要デジタル家電でもっとも単価の戻りが大きいのがデジタルカメラだ。12年1月に平均単価が1万9700円と初めて2万円を切ったのを底に、この7月は3万3000円、率にして67.5%と大幅に上昇した。
要因の一つに、レンズ交換型カメラの構成比が3割近くまで拡大したことが挙げられる。平均単価が7万円前後とコンパクトデジカメに比べ、3倍以上も高価なため、全体の単価を押し上げている。
また、コンパクトデジカメも、平均単価が4万5000円前後の高級モデルが伸び始めており、平均単価を底上げしている。
デスクトップ、ノートといったパソコンも、ウインドウズ8が発売された12年10月の6万7800円を底に単価が上昇。この7月は8万7000円と、28.3%の上昇を果たした。円安による部品価格の上昇や、タッチパネル搭載などのコスト増が一因だ。
一方、売り上げはさえない。薄型テレビは徐々に回復しつつあるが、7月の販売台数は前年同月に比べ25.1%減。デジタルカメラは単価上昇効果で販売金額こそ前年を上回り始めたものの、販売台数は同12.1%減。デスクトップ・ノートを合わせたパソコンでも、30.5%減と非常に厳しい状態だ。
しかしミラーレス一眼など一部製品では、安価な製品よりも機能やデザインが優れる比較的高価な製品が売れる状況がうまれつつある。カギを握るには魅力的な新製品。本格的な市場回復への環境は整いつつあるといえる。
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