自然で観光客呼び戻せ
こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
全国各地のスキー場が夏に稼ぐための集客策に工夫をこらしている。1980~90年代のスキーブームから約30年。長期低落傾向にあったスキー人口にも底打ち感が出始めている。豊かな自然を活用した夏のレジャーで現地に観光客を呼び寄せ、冬のメーンシーズンにつなげようと知恵を絞る。
かつて冬の1シーズンだけで300万人をこえる来場者を集めた「苗場スキー場」(新潟県湯沢町)。運営会社のプリンスホテルは今夏、苗場プリンスホテル前の第一ゴンドラ運行を始めた。山頂付近では、冬にためた雪で作った雪室でジュースや酒を冷やして販売している。最大の売りは「涼しさ保証」。山頂の気温がセ氏25度を超えると、ゴンドラ料金が無料になる。このほか、遊歩道を整備するなどして周辺の自然を楽しめるよう配慮している。
同ホテルは2012年個人向けの夏季営業を3年ぶりに復活させた。夏は団体営業に特化して収益基盤の強化に努めてきたが、「夏の自然散策のニーズが高まってきた」(苗場プリンスの村上宏通支配人)ため、再開を決めた。12年夏季営業期間中の客数は団体のみだった10年に比べて3割増と好調。今夏も営業を継続。
同じ新潟県湯沢町にあるニュー・オオタニ系の「ナスパニューオオタニ」。ホテル前にはスキー場が広がるが、ここ10年の月別の宿泊客数は意外にも8月が最も多い。
様々な夏の集客策のたまものだ。近隣にはない大宴会場を売りに、企業の大型会議や報奨旅行向けの営業を強化。個人客向けには、ゲレンデにペットラン用のフィールドを設けたり、スティックとボールを使って打数を競うマレットゴルフ場を用意したりして、取り込みを図る。さらに、数年前から取り組んでいるのが、トレッキングへの対応だ。
標高1000メートル軽登山に向いている。登山コースに休憩場を用意し、専用シューズなどの貸し出しもしている。「ホテルの玄関に地図を用意し、どこまで登れば消費カロリーがどれくらいかがわかるようにしている」〈橋本富晴総支配人)という。
星野リゾートが運営する「星野リゾート トマム」(北海道占冠村)は06年から、「雲海テラス」という切り口で夏季の観光客を集めている。ゴンドラで山頂駅(標高1088メートル)まであがり、雲が眼前に海のように広がる眺望を見下ろすことができる。特有の地形と気候により、雲海が発生すr確立は30~40%という。
認知度の向上に伴い、同ホテルの夏季宿泊者数は12年度(4~11月)で06年度比56%増。今年も雲海テラスで天然氷をかき氷にして提供するなど、趣向を凝らしている。
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