地名がウソをつくことも
災害地名と、被害をうける土地は本当に一致しているのだろうか。
京都大防災研究所の田村修次准教授は、家屋倒壊や山崩れが多発し、被害の記録が多く残されている1847(弘化4)念に起きた善光寺地震を例に検証してみた。
家屋被害が多かった地域では、82の災害地名のうち54%で家屋倒壊の被害あったが、159の一般地名では36%だった。山崩れが多かった地域では、崩落を示唆する14の災害地名のうち64%で山崩れがあったが、44の一般地名では45%だった。
田村准教授は「災害地名は一般地名に比べて1.5倍程度、家屋倒壊や山崩れが多く発生している」とまとめ、地名と地震災害の危険度はある程度の相関があると指摘した。
名古屋大減災連携研究センターの福和伸夫教授らは、バス停に着目した。最初につぃた名称があまり変わらず、数も多いからだ。大学院で研究に取り組んだ河合真理子さんらと、東京23区、大阪市,名古屋市、のバス停名と地盤の関係を調べた。
地名の漢字と読み仮名では、読み仮名にほうが地盤との対応がよくなかった。また複数の漢字の場合では、例えば地名が「山田」の場合だと、「山」と「田」では、解釈や判断が割れる。前と後ろの文字のどちらをより重要視すべきなのか。文字によって差はあるものの、おおむね後ろの漢字の方が地盤の特徴との対応がよかった。
防災科学技術研究所のデータベースを元に、地盤がよさそうな「良好地盤地名」と「軟弱地盤地名」、それらと地震時の揺れやすさを示す「地盤増幅率」の関係を調べた。この数値が2以上だと「特にゆれやすい」、1.6~2なら「揺れやすい」、1.4~1.6だと「場所によって揺れやすい」とされる。
それぞればらつきはあるが、良好地名の平均1.25に対し、軟弱地名は1・49。東京23区は良好地名が1.46で、軟弱地名は1.60。大阪市は良好が1.40で軟弱が1・47と小差だった。
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