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2013.10.02更新

「災害地名」という言葉がある。自身や風水害に弱い土地だと推測される文字が使われている地名のことです。災害と地名の関連を読み解く本も多数出版され、関心が広がっている。問題なさそうな地名でも背景によっては要注意とされ、ずらりと並ぶリストを見ると、災害国とはいえ危ないところばかりになりそうだ。災害地名がついている場所は、本当に他の場所よりも被害を受けやすいのだろうか。

「谷」や「澤」は危ない?

災害地名に関連した本はどれだけあるのか?国会図書館のデータベースで、「災害」と「地名」で検索してみました。
 「地名は災害を警告する 由来を知りわが身を守る」「あぶない地名 災害地名ハンドブック」「この地名が危ない 大地震・大津波があなたの町を襲う」・・・・。関連していそうな本や雑誌記事は二十数タイトル。1980年代からぽつぽつと出版されてきたのが、東日本大震災以降に倍増していた。
 これらの本のなかで「危ない」と指摘されているのはどんな地名なのか。災害に関する地形を示している、とされているのが以下の地名だ。
 低く湿った地形をしめす「池」「沼」「川」「潟」「谷」などの漢字が使われている地名は、地盤が弱い恐れがある。雨水が集中する地形を示す「谷」「沢」、地すべりや土石流を示唆する「荒」。そんな場所に生える植物も要注意だという。湿地なら「芦」「柳」「蓮」などだ。
 こうした漢字がない地名だからといって安心はできない。もともとあった地名に、後から漢字が当てられた場合もあるという。
 例えば「赤」という字。災害と無縁に思えるが、「アカ」は古語で水の意味がある。「久保」は、くぼ地に由来するかもしれない。なまって読み方が変わることもあるし、方言もある。災害地名の対象となりそうな漢字はどんどん増えていく。
 町名変更や合併で消えてしまった地名もあるし、宅地開発で地名が変わることもある。低い土地でも「00ガ丘」「△△台」と名づけられる造成地もあるので、依然の地名の確認も必要だ。
 地盤液状化の調査を続けてきた関東学院大の若松加寿江教授によると、「緑ヶ丘」「緑町」など「緑」がつく地名でも液状化被害が目立った。「地盤と関係なく、イメージが良い地名が造成地につけられたのではないか」と推測する。
 このように解釈の仕方により、危険な地名はどんどん増えていく。
 地図研究家で日本地図学会「地図と地名専門部会」の主査を務める今尾恵介さんは、地名と災害を過剰に関連づける傾向があると指摘する。
 「導きたい結論に都合のよい材料を集め、強引に災害と関係した地名だと解釈している例もある」と話す。
 たとえば「沼」がつく地名でも、沼が見えるという理由で台地につけられたのなら地盤が悪い場所ではないし、名前に沼がつく有力者がひらいた土地かもしれない。「00坂上」という地名も坂の下まで同じ地名の例もある。同じ町でも50メートル離れただけで地盤がまったく違うこともあるので、地名の指す範囲も考える必要があるという。

投稿者: 松村税務会計事務所

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