営業所倍増60都市、工場の生産の生産能力1.8倍に
こんにちは北区王子の税理士松村憲です
日清食品ホールディングス(HD)は2018年までに中国で直営の営業拠点を2倍に増やす。北京、天津、重慶など人口300万人以上の60都市に営業網を広げ、カップ麵の看板ブランド「カップヌードル」の販売に力を入れる。約65億円を投じ2工場に新たに生産ラインも導入する。所得水準や食品に対する安全意識の高まりを受け、現地製品より高めの商品の販売が上向いてきたため販売攻勢をかける。
営業所の充実と生産能力の拡大により、15年度の売上高を12年比で5割増ににあたる322億円に引き上げる。
直営の営業拠点は上海市がある華東地区や広東省など沿岸部に偏っていた。今夏から北京や天津のほか、東はロシア国境の黒竜江省から南はミャンマーやラオスに接する雲南省まで13省に営業所を順次設ける。
現在600人いる営業担当者も充実する。現地採用を進めて毎年1割ずつ増やしていく。営業担当者がスーパーやコンビニエンスストアなどの売り場を回り、自社製品の特設コーナーを設置したり、効果的な商品の陳列や店頭販促(POP)を展開したりする。
これまでは卸売り会社に委託している販売エリアも多かった。いつの間にか他社商品に売る場を奪われたり、売り切れで商品が店頭に並ばない時間が長かったりすることもあったという。
生産体制も強化する。広東省の工場は14年4月にもラインを増設。15年度中には上海市で第2工場を稼動させる。あわせて生産能力は現在の1.8倍になる。
製造と販売の現場の見直しにあわせてブランド名を統一する。上海などでは「開杯楽」で売り出していたが、広東省や香港で使っている「合味道」に一本化して広告効果を高める。香港の人気モデルを起用したキャンペーンやバスの車両を覆うラッピング広告などを展開していく。
カップヌードルは10年から樹脂製だった容器を紙製に切り替えたことで「環境に配慮したイメージが浸透した」(日清食品)。丼型の容器が一般的な中国では珍しいカップ型が20代を中心にした若い消費者にうけているという。
中国の店頭価格は4.5~5元(約72~80円)と現地商品に比べ5~6割高いが、11~12年の売上高は前年比3割増のペース。今年も4割増に迫る勢いという。
日清食品HDの海外売上高は13年3月期で535億円だった。海外売上高比率は約14%にとどまっている。中国は黒字を確保しているが、東南アジアやインドの事業はまだ赤字だ。米国やメキシコでトップシェアをもつ東洋水産は海外売上比率が22%ある。
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