こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
最近自動車工場などで溶接や塗装をこなす産業用ロボットが、中国で引っ張りだこだ。人件費の高騰を背景に、人からロボットへの置き換えが加速する。日本のロボットメーカーは現地生産に走り、ライバルの欧州や現地メーカーと巨大市場で争奪戦を繰り広げる。
日本メーカー売り込み競争
日系では中国初の大型ロボット工場を、江蘇省張家港市に2月に立てた不二越(富山市)の現地の幹部が打ち明けた。
「受注後、一ヶ月以内の出荷が原則。中国のお客さんは待ってくれない」
5月には、産業用ロボットで「世界4強」の一つの安川電機(北九州市)が、同じ江蘇省の常州市で新工場を稼動させた。ドイツのKUKAも12月に上海の工場が動き出す予定。2005年にいち早く生産拠点を設けたスイスのABBを追う。日本のファナック(山梨県)以外の3社が中国で生産拠点を持ち、競い合う。
ことし、大手が相次いで中国に進出するのは、「工場のロボット化」が本格化してきたためだ。
電子機器の受託製造の世界最大手で、約120万人の従業員を抱える鴻海精密工場(台湾)の郭台銘会長は11年、「3年で100万台のロボットを導入し、人から置き換えていく」と宣言した。
人件費が急上昇
この発言に象徴されるように、「世界の工場」と呼ばれる中国の生産現場は転換期を迎えている。背景にあるのは、人件費の上昇だ。最低賃金は年10%以上伸び、上海では4年でおよそ70%上昇した。
産業用ロボットの中国での導入台数は11年に2万2千台で、前年の1.5倍に増えた。15年には世界最大の3万5千台になるとの予測もある。「中国ロボットブーム」(安川電機幹部)の勢いは衰えそうにもない。
国産ロボットが悲願
中国政府は15年までの5ヵ年計画で、最も育成に重点をおく「戦略性新興産業」の一角にロボット産業を位置づける。悲願の「国産ロボット」の発展に、技術の吸収は欠かせない。
6月にあった安川電機の新工場の開業式では、中国の機械工業連合会の幹部が正面から期待感を述べた。
「生産だけでなく、中国企業に技術や市場開拓のノウハウを教えて欲しい」
中国最王手のロボット会社、瀋陽新松機器人自動化でも、技術水準は日本の6~7割と言われる。
一方、進出企業は技術流失を防ごうと躍起だ。安川電機幹部は「見かけは同じようにつくれても、制御ソフトはまねできない」自信をみせる。
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