こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
ホームセンター各社が2013年度出店攻勢をかける。各社の12年度決算額は東日本大震災後の特需が消え減収が目立ったが、一転して14年度にも予定される17年ぶりの消費増税前の需要の取り込みに力を入れる。今年度の出店戦略は業界再編を伴う勢力図の書き換えに及ぶ可能性もある。
DCM5年ぶり、コメリ3年ぶり高水準
最王手、DCMホールディングスの出店数は5年ぶりの高水準になる。消費者の購買意欲は改善していると判断、中価格帯の家具を充実させた大型店を実験的に出すなど積極出店に出る。カインズ(埼玉県本庄市)は全体の出店数は微減だが、売り場面積が1万平方メートル超の大型店を増やす。
コメリとコーナン商事は首都圏の国道16号内での出店に力を入れる。コメリは地価の高い住宅地向けに、小型店の「ハード&グリーン」よりも小さい店舗を出す。実験的に出店する今年度の成否が今後の戦略に影響しそうだ。コーナンは千葉県柏市と埼玉県川口市に出店し、関東でのドミナント化を進める。日本ホームセンター研究所(東京・中央)の高橋直樹所長は「出店余地が大きい首都圏がポイント。開拓できれば市場が1兆円規模で広がる」と分析する。
~プロ向けを強化
ナフコは過去最大となる30店を予定。100億円規模を当時地盤の九州のはか中国、関西、中部地方で攻勢をかける。既存店10店の増床も計画する。建設業者などのプロ向け専門店を強化する動きも広がる。DCMは「カーマ」に加え、「ホーマック」でもプロ向け専門店の出店を検討する。先行して展開するコーナンも出店を拡大する。
中小各社でも動きが目立つ。アークランドサカモトが5月に長野市に「ムサシプロ」を初出店したほか、エンチョーも「ハードストック」でさくねんの2号店に続き、今秋に3号店を出店する。
~PB比率を拡大
大手はプライベートブランド(PB)を強化する。DCMは自主開発商品の割合を7%程度から10%以上に高める。4月には女性48人が商品開発や売り場作り、サービスを企画するチームを立ち上げた。コメリはPB比率を今年度は前年度比2.3ポイント引き上げ38%にする。
ホームセンターの国内市場は他業態との競争が激しく伸び悩んでいる。年明け以降の円安で商品の値上げ圧力が強まり、来年度以降は2度の消費増税が控える。増税前の駆け込み購入や増税後の対応次第で、業界の勢力図が変わる可能性もある。「米国に比べオーバーストア状態にあり、再編が進む環境にある」(カインズの土屋裕雅社長)との声が、現実味を帯びてきそうだ。
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