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2013.05.27更新

こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
前回に引き続きABLについてです。

ABLの活用にあたっての留意点は

一点目は、「担保権」についてです。金融機関は、融資に当たって、担保となる「在庫」や「売掛金」の時価評価を行い、いくら融資するかを決定します。金融機関は、担保物について、自らが担保処分する場合にはいくらで売ることができるかという観点から時価評価を行うことが一般的です。このため、特に、「在庫」を担保とする場合には、「在庫」の性質等にもよりますが、通常の販売価格などと比べると、かなり低い評価額になることもあり得る点にご留意いただきたいと思います。
二点目は、「在庫・売掛金等の状況の報告」についてです。金融機関は、土地などのように動かないものを担保として、融資するのではなく、日々変動する企業の「在庫」や「売掛金」などを担保として融資することになります。
従って、金融機関は「在庫」や「売掛金」などの状況を継続的に把握する必要が生じます。このため、金融機関は、通常、融資に当たり、皆様から、例えば、
・「在庫」については、仕入、販売、その結果として、現に保有している在庫の状況
・「売掛金」については、発生、回収の状況について、定期的な報告を求めることになります。
 また、融資先の経営状況を把握するため、財務内容についても、、定期的な報告を求めることになります。
このように、ABLを活用するためには、通常の「不動産」を担保とした融資以上に、「在庫」や「売掛金」などの管理を徹底した上で、その管理状況等を金融機関に定期的に報告する必要があることに、ご留意いただきたいと思います。
 ただ、その一方で,ABLを活用すると、金融機関は、皆様の財務状況をより具体的に把握できるため、皆様に対して、タイムリーに有益な経営アドバイスを行うことが可能となります。現に、金融機関からのアドバイスにより販路を開拓し、事業の拡大につながった事例などもあります。

活用を希望される方は・・・

ABLを活用できるかどうかは、皆様方の判断はもちろんですが、最終的には金融機関の判断にゆだねられています。また、仮にABLを活用する場合、金融機関に対して、どのような頻度で、どのような内容を報告するか等の詳細については、金融機関との契約により個別に決められることになります。このため、ABLの活用を希望される方は、金融機関とよくご相談されると良いと思います。



投稿者: 松村税務会計事務所

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