こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
金融機関が決算書や経営計画に求めるものについての続きです。
積極的に情報を開示してほしい
Q3 現在のような、どの企業も売上が厳しい環境では、売上については、どのような見方をされているのでしょうか。
A3 売上減少の理由が、単価の下落なのか、数量の減少なのか、あるいはその両方なのかを、経営者にお聞きします。
本来は、こちらからお尋ねする前に、経営者のほうから積極的に説明してほしいのです。
しかし、それがなかなかできない経営者が少なくないのが実情です。
経営者自らが、売上減少の要因とその対策をきちんと説明できる企業は、経営数値が改善されてくることが多いようです。
Q4 企業から提出された経営計画について、どこを、どう見ているのでしょうか。
A4 企業格付、定量的な目線でいえば、売上、利益から生み出されるキャッシュフローで10年以内に借入金が返済できるか、それが予想の貸借対照表・損益計算書に反映されているかといった点を見ています。
売上については、数量と単価のどちらを改善の柱に持っていくのか、それが市場性に照らして妥当なのかどうかを確認します。
Q5 経営計画に求めているものは何でしょうか。
A5 最初から「とりあえず数字を並べただけ」というような計画を提出されると、金融機関としても非常に困るわけです。
返済に必要となる利益やキャッシュフローを生み出すためには、現在の利益率では、どれだけ売上が必要になるのか、そのために打つべき対策は何かを積み上げた計画を求めていきます。
計画内容そのものに実現性があることが前提ですが、経営計画の実現に向かって経営者と従業員にやる気と覚悟があることも重要です。
私どもは、経営計画を「この計画でやります」という経営者の宣言だと考えています。
その宣言を受けて、金融機関は、融資や条件変更をさせていただくわけです。
月次の数値に興味を持ち原因分析を!
Q6 金融機関としては、どのように経営支援をしていくのですか。
A6 経営者には、毎月の経営の結果を見返して、それが予定通りでなければ、なぜそうなったのかを分析し、その対策を実行していただくとともに、その内容を金融機関に報告してほしいと思います。その報告をもとに、金融機関からも助言させていただくこともあります。これをモニタリングと呼んでいます。
経営者の皆様には、月次ベースで自社のことに興味を持ち、実績に対して、原因分析をして、その対策も含めて金融機関にしっかりと伝えてください。
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