古今東西、帳簿は商売の要ですね。現代の簿記の基礎は、13世紀末から14世紀初頭のイタリアで築かれたといわれ、当時の商人達が作成した精緻な決算書や現金出納帳なども数多く遺されています。しかし、簿記の基本ともいうべき帳簿づけは、古代文明の時代から行われていたようです。
今回は、簿記の昔話を4回にわたって載せたいと思います。
①・・・帳簿づけは商売で損をしないため
②・・・業績報告と不正・ミス防止に帳簿を活用
③・・・勘定が一致するまで寝てはいけない
④・・・帳簿で不正がない事を証明した
・帳簿づけは商売で損をしないため
紀元前4000年頃の古代エジプトでは、商業活動が行われ、帳簿をつけていたことがわかっています。
当時は、まだ貨幣制度がなかったため、穀物や油、金、銀、銅などが貨幣の代わりに使われていました。そのため、物資の数量の誤りなどで損をすることがないように、物資の数量を正しく数え、その出入りをきちんと把握して帳簿に記録することが商売を行ううえで必要だったのです。
紀元前3500年頃のバビロニアも商業が盛んな地域でした。しかし、商取引が活発になるにつれ、商品や代金の支払い、金の貸し借りなど取引を巡るトラブルも増えてきました。
商トラブルを防止するため、会計記録官という役人が、取引に立会い、その証人となりました。会計記録官は、契約内容を粘土板に記して、取引の証拠にしたといいます。
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